1.はじめに
山陰の砂浜でキス釣りをしていますと、驚くほど近くで釣れてきます。所謂、ちょい投げで釣れるのです。その時は、15号のジェット天秤を使っていましたが、キスの釣れる所まで引いて来るのに時間が掛かりました。もっと軽い錘の方がキスを散らさないし、軽い錘で飛ぶ距離で十分な感じでした。と言っても、キスを散らさないためには、ある程度の飛距離が必要なのは勿論です。そこで、ちょい投げ用の天秤錘を作る事にしました。錘は、8号錘を中心に考えました。
実は、釣具店で6号、8号の天秤錘を売っているのを発見しました。市販の天秤錘は、少し腕が短い感じでしたし、その時は、材料を少し買い込んでいましたし、何よりも「作るのが好き」なので、作るしかありませんね。
1.道具の準備
天秤を作るには、ペンチに細工をする必要があります。細工するペンチは、勿論100円Shopで購入です。ペンチをディスクグラインダーとヤスリを使って細工します。最初にディスクグラインダーで荒細工、ヤスリでさらに仕上げます。
出来上がったのが、
細部は、
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実は、4個は作りすぎです。大きめの物と小さめの物2個で十分です。それに、ペンチでは、なかなか思ったようにステンレス棒を曲げられません。
私は、途中で次に紹介する道具を作り、それを使ってステンレス棒を曲げました。ベンチを使うよりも格段に楽でした。
こう言う道具があるのは知っていましたし、2枚の木材とパイプを使って、もっと完璧に作る方法も知っています。しかし、堅い木材が必要なのと、釘の間隔が分からないので作っていませんでした。
この道具を作るコツは、出来るだけ堅い木材を使うことです。私は、乾燥して堅くなった古い木材を使いました。そして、堅さの足りない所を木材の厚さで補いました。木材にドリルで穴を空け、そこに頭を取った釘を打ち込むだけです。釘は出来るだけ深く打ち込みます。ドリル穴は、釘の太さの半分ほどほどで良いと思います(木材の堅さで変えれば良い)。気に入った物が出来上がれば、瞬間接着剤をしみこませて補強しておけば良いでしょう。木材は4面テストできますので、きっと気に入った物が出来るでしょう。又、ココでは、釘の並びを木目と平行にしていますが、木目と垂直にするのも良いかも知れません。
そして、このように使用します。簡単に曲げる事ができます。
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それ以外に、半田鏝とステンレス用の半田とペーストが必要です。これくらいの太さのステンレスですと、簡単に半田付けできます。私は、最近ステンレスの半田付けを始めたのですが、想像以上に簡単でした(ものの本には難しいと書いていたの欺されていた?)。これなら、もっと早く手を出せば良かったです。と言っても、必要が無かっただけですが。
2.錘部分の細工
錘の部分の細工には、ステンレス棒φ1mmの物を使いました。使ったみて、都合が悪ければ、異なった直径のステンレス棒を使う予定です。多分大丈夫でしょう。
一番上が、錘部分の完成品、下がステンレス棒(約30cm)を2つに曲げた物です。
曲げたステンレス棒を錘に通す訳ですが、その前にすることがあります。それは、補強のために、他方に補強の為に内径2mmのステンレスパイプを通します。その為に、錘の穴をドリル刃を用いて大きくしておきます。以前は、ウキ作り用のモータチャックに挟んで穴を空けていたのですが、鉛の粘りけで、ドリル刃が折れたり、動かなくなったりしました。このようにドリル刃をチャックに挟み、手動で穴を広げるのが良いでしょう。
錘に出来るだけ、ステンレス棒を押し込み、後は金槌で叩き込みます。この写真は、約30cmのステンレス棒を2つに曲げた物を使っていますが、ステンレス棒は長さが50cmですので、30cm取ると、20cmほど残ります、20cmのステンレス棒の先を曲げた物を2本使ったものもあります。
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次に、上部のステンレス棒を2本纏め、それにステンレスパイプ(内径2mm)を叩き込みます。この時、完全に埋め込んで仕舞わないように、2mm程度残して置きます。残したパイプの部分をカシメて、ステンレスの半田を流し込みます。
この写真は既に半田を流し込んだ物ですが、後でもう一度、半田作業がありますので、その時、一緒に半田付けをしても構いません。
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これで、錘とステンレス棒の結合部分の細工が終わりました。
3.天秤部分の細工
天秤部分は、ステンレス棒を1.で準備した道具を使い小さい輪を作り、一方にはサルカンを入れて輪を閉じるだけです。
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ここで、約半分はダルマクリップを使いました。この方が簡単だと思ったのですが、見てみるとラインがひっかり易そうですし、格好が良くありません。もう少し小さいダルマクリップで留めれば良かったかも知れませんが、これより小さいダルマクリップは穴の直径は1mmで、1mmのステンレス棒を通すには苦しかったのです。結局、全て作り直して、ダルマクリップ無しにしました。
小さな輪の隙間は、ステンレスの半田で埋めます。出来上がった物の天秤部分です。
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実際に使う時は、天秤の腕の一方を広げます。仕舞う時は、狭めるのですが、完全といえないまでも、ある程度まで畳めると考えています。