1.シーラー(防水塗料)塗り
ボディーの準備が出来れば、最初にシーラー(防水塗料)を塗ります。
削り終わったウキです。既に、下塗りの準備をしているものもありますが、上下に楊枝を挿してドブ漬けの準備をします。
![]() |
|
![]() |
楊枝は抜けないように金槌などで叩き込みます。上下が終われば、ボディの準備は完了です。
![]() |
|
![]() |
シーラーは、DIYの店で売っています。孔雀、カヤ、発泡スチロール等を使う時は必要ありませんが、桐の時はシーラーを使った方が良いです。使わないと、次のカシューを塗る工程が面倒で長くなります。
シーラーを使ったのはかなり以前でしたので、蓋が固くて開きませんでした。握力が弱くなっているのも影響しているようです。以前は、ウォタープライヤーなどを使って開けていました。そして時々失敗をしていました。失敗すると蓋を壊してしまいますので、塗料はアウトになります。そんな事があってベルトレンチを用意するようになりました。
![]() |
|
![]() |
青いベルトレンチは少し小さいので、大きいものを買い足した方が良さそうです。後で出ますが、ウレタン塗料の蓋もよく固まりますので、そこでもベルトレンチが活躍します。
塗料皿は、下の写真のようなアルミケースや紙コップを使っています。アルミケースは弁当などに使うオカズ入れです。
勿論、普通の塗料皿を使う時もありますが、最近はアルミケースを使うことが多いです。、使用後にシンナーで洗うのが面倒なことが主な原因です。アルミケースなら、使用後、そのまま捨てて終わりです。それに、安いです。シンナー代よりも安いです。
![]() |
|
![]() |
アルミケースにシーラーを入れて、ドブ漬けです。アルミケースは適当に変形して便利です。最初は泡が出ますので長めに漬けて置きます。
ドブ漬けの後、回転式ウキ乾燥機(自作)を使い、回転させながら乾燥させます。シーラーは乾燥が速いので、10分ほど回した後、普通に乾燥させます。最近では、シャッター付きのレターケースを使っています。
![]() |
|
![]() |
先ほども書きましたが、シーラーは乾燥が速いので、2,3時間ほど乾燥させた後、再びドブ漬けすることも出来ます。私は水ペーパー(耐水ペーパー)を掛けてから、2度目のドブ付けをします。
次の最初の写真を良く見れば、表面に気泡が出来ているのが分かります。水ペーパー掛けは、モーターチャックにテーパを付けたステンレス棒を咥え、それにウキを差し込みます。こうするとウキの交換が楽に出来ます。
![]() |
|
![]() |
![]() |
|
![]() |
よく塗料の削りかすを取り、乾燥させます。写真では次のドブ漬けの用意に楊枝を挿しています。ドブ漬けの後、1回目とは上下を逆にして乾燥させますので、楊枝もそのように挿しています。
![]() |
|
![]() |
ドブ漬けの後、1回目と同じ作業が続きます。
![]() |
|
![]() |
シーラー塗りの終わったウキです。次の「透き漆(カシュー)」塗りに備えて、グラスソリッドを削った物を挿しています。
写真は撮り忘れていますが、楊枝で栓をしていても内部にシーラーが回っているものがありますのでドリル刃を通しておきます。
![]() |
|
![]() |
2.下地 透き漆(カシュー)塗り
下地には、透き漆(カシュー)を使います。本来は漆を使うのが良いのですがカブレが怖いのでもっぱらカシュー漆です。漆の中で一番固くなるのは透き漆です。カシュー漆でも「透き」が一番しっかりしているようで、下地は「透きカシュー漆」です。
釣具店で「新うるし」などと言って売られているのは、カシュー漆です。DIY店で缶入りで売られているものは「カシュー」と書かれています。
「ふぐ印」のカシュー漆が好きなのですが、最近は(一部を除いて)釣具店で売られていません。「うらしま印」のものに変わってきています。「ふぐ印」は東急ハンズで扱っています(出張の折など、買い込んだりします)。
孔雀、カヤ、発泡スチロール等の時は、下塗りを3回行います。最初の塗りは、薄め液を多めに加えて薄く塗ります。出来るだけ中に染み込む様にするためです。今回は、シーラーを塗っていますので、「透きカシュー漆」の下地塗りは2回行います。
薄め液は「テレピン油」を使います。本当は「片脳油(ヘンノウユ)」がもっと良いのですが、すでに「テレピン油」を使い切れないほど持っていますので、「片脳油」を見つけても手が出ませんでした。「テレピン油」、「片脳油」は共に乾燥の遅い油です。
私は、カシュー漆は必ず「テレピン油」で薄めて使います。
次の写真の「カシュ漆」は徳用チューブです。10年以上前に買った物です。まだ中身が残っています。それだけ、ウキ作りをしていないと言う事です。今度買う時は、小さいチューブのものですね。実は数個既に買い込んでいます。
塗りは、ウキを塗り用のモーターのチャックに挟んで塗料を含ませた筆をあてるだけです。
カシュー漆が馴染むに従って、塗り斑は自然に取れます。写真は下部しか塗っていませんが、筆を持ち替えて上部も塗ります。塗った後は乾燥ですが、カシュー漆は乾燥が遅いので最低でも1日、乾燥させます。回転乾燥させるのは、2、3時間ほどです。
![]() |
|
![]() |
乾燥の終わったウキです。シーラーが効いていて、1回の塗りなのに綺麗に塗れています。
乾燥後は、研ぎの工程です。水を付けながら「水ペーパー」で研ぎます。私は例によってモーターを使っていますが、手に持って研いでも宜しいです。写真でも分かるように、研ぎ汁がかなり出ます(これくらい出る迄研ぎます)。水で研ぎ汁は洗い流します。
下塗りを2回行った後のウキです(研ぎ出した後です)。
3.キラキラ塗り
この後、「キラキラ塗り」を行います。下の写真は、「キラキラ塗り」を行う準備が出来た時のものです。右手前が、キラキラの正体の「マイラー」です。
モーターチャックには、ウキを咬ませています。
![]() |
|
![]() |
キラキラ塗りは、まず「カシューの黒」を塗ります。今回は、下半分にキラキラ塗りを行いますので、黒を塗るのは下の部分です。
キラキラ塗りは、「黒」の上にマイラーを振り掛ける方法以外に、「白」の上にマイラーを振り掛ける等、色々な方法があります。
マイラーをスプーンで掬い取り、一度スプーンをひっくり返します。すると、スプーンの表面にマイラーが少し残ります。それをスプーンの軸を指で叩きますと、少しずつマイラーが下に落ちます。それを、カシューの黒を塗った直後のウキで受ける感じでマイラーを掛けます(この部分の写真はありません。両手を使いますので写真に撮れませんでした)。
![]() |
|
![]() |
例によって乾燥です。
次にマイラーの上に「カシューの本透明」を塗ります。この時、ウキは研ぎません。カシューの上塗りをする時はウキを研ぐのが普通ですが、マイラーの上に塗るときには、ウキは研ぎません。
実は、「本透明」を使うのは久しぶりでした。チューブから絞り出すと一部固まった
部分があるなど、そのままでは使えませんでした。そこで、本透明にテレピン油を加えて少し薄めた後、漉し紙で漉しています。漉し紙は「新吉野紙」と言うものを使っています。
「新吉野紙」は少し荒い漉し紙ですが、無理に絞らないでも、自然にカシューが下に落ちてきますので楽です。
序ですから、「カシューの本透明」は透明と言っても少し黄ばんでいます。「黒+マイラー」の上ですから気になりません。「白+マイラー」の上の場合などは注意しないといけません。
![]() |
|
![]() |
乾燥後、研がずにもう一度「本透明」を塗ります。
写真は、「本透明」を塗ったものと、それを研ぎ出したものです。「本透明」を塗っただけでは、マイラーの斑(マイラーは薄片ですので、ウキに掛かった方向によって斑が出来ます)を取るために丁寧に研ぎ出します。
![]() |
|
![]() |
4.蛍光塗料塗り
蛍光塗料を塗る前に、下地の白を塗ります。蛍光塗料は白の上に塗ると映えます。白はカシューの白でも良いのですが、その時は十分乾燥させていないと蛍光塗料によっては下地が浮き上がります。私は、ウレタン塗料の白を使っています。写真は、1:2のものですが塗料の分量を量る都合からは、1:1の物の方が良いと思います。
分量を量るには、スポイトを使っています。安物で、使い捨てです。塗りは例によって、モーターを使っています。乾燥後、軽く研ぎだします。本当に「軽く」で白が取れては駄目です。
![]() |
|
![]() |
![]() |
|
![]() |
蛍光塗料は、油性のものを使っています。水性のものも使ったのですが、厚塗りになりがちです。
蛍光塗料は使わないでいると固まってしまいます。十分溶かさないといけません。最近思いついて、モーターで回転させて溶かせています。モーターは5分回して、25分休憩を数回繰り返します。
十分、蛍光塗料が乾燥した後、キラキラ塗りとの境目を補修しておきます。
![]() |
|
![]() |
![]() |
|
![]() |
今回は、アクセントに白線を2本入れてみました。実は、今まで細い白線が引けなかったので、調べて見ますと。筆先が痛んでいました。筆(面相筆)を新しいものに換えると、細い線が引けるようになりました。
白は、カシューの白を使っています。カシューの白は乾燥しにくいですから、シンナーで薄めて使います。
![]() |
|
![]() |
5.仕上げ塗り
仕上げに、ウレタン塗料の透明を2回塗ります。注意することは、最初の塗りでは蛍光塗料の上では、筆を余り動かさないようにします。塗料によっては、筆でこねくり回すと蛍光塗料が浮いてくることがあります。
最後の写真は、軸を抜いて完成したウキです。細かく書きませんで、塗料は軸の方まで付いたときなどは、乾燥後軸を抜き差しするなど手入れをしておきます。
![]() |
|
![]() |
![]() |
|
![]() |
終わりです。