シンクロナスモータ工作2題

0.前置き

低速回転のモータとして、シンクロナスモータがあります。竿の塗装の乾燥などに用いられているそうです。フィニシングモータと言う市販品もあります。インターネットでは市販品は高いので、シンクロナスモータを買ってきて(通販あり)自作するのが普通(?)のようです。
それ以外に、シンクロナスモータを使った工作として、ウキの「線引き用モータ」や、ウキの「乾燥時の回転用モータ」があるそうです。いろいろ迷いましたが、通販で買ってしまいました。1分間に60回転するもの(線引き用モータ用)と、1分間に10回転するもの(ウキ回転乾燥台用)の2つです。
工作をする場合、このような部品があれば良いのだが見つからない、又は市販されていないなど、部品探しに苦労します。見つかれば良いのですが、見つからなくて代用品を使うことも多いです。このモータ工作記事は、どのような代用品を使ったかと言う事を中心に書いて行く予定です。

1.線引き用モータ

シンクロナスモータの仕様書を見ると回転方向が軸の正面から見て時計回りのようです。回転方向を変えられるものもありましたが、丁度品切れでした。ウキの上に筆を持っていった方が楽ですので、工夫が必要です。幸い、いつもウキを削るのに使っているモータのチャックがしっかりしているので、シンクロナスモータを逆向きに据え、ベルトで回転を通常使っているモータに伝えることにしました。という訳で出来上がったのが

  

裏側は、

使う時は、モータの重みで固定していますが、ベルトの張りなどの調整が必要な時は間隔を広げるなどの調整ができるようにしています。

代用品を使っているプーリーとベルト部分です。
偶々手元にあったプーリーを使っていますが、実際に使用してみて、もう少し回転が速いほうが良さそうなので、大き目のプーリーの変えています。変更したプーリーは「乾燥時の回転用モータ」の所で説明するものと大体同じです。
ベルトは、ホームセンターで大き目のOリング(オーリング)を買ってきて、スムーズに曲がるように半分程度まで切れ目を入れています。別の代用品は「乾燥時の回転用モータ」の所で説明します。

実際にチャックにウキの軸を挟んで回転させて見ましたが、軸が微妙にぶれます。チャックに挟むときの微妙なズレだと思います。竹の軸を使った時は、チャックに挟んだ時、やはり微妙に竹が変形します。
これは、予想していた事で途中に柔らかいもの、例えば「ウキゴム」を介してウキと接続します。手で線を引く部分の近くだけのブレを押さえて筆を当てます。

2.線引き用モータ その後

実際に、線引きに使って見た所、問題点が見つかりました。まず、回転数が少ない。次に、シンクロナスモータは交流電源のサイクルを利用しているせいか、回転に斑があります。気にいらないので以前のように、ウキ作りのモータを回転させ、電源を落とし、回転数が落ちたところを利用して線を引いていました。
なにか物足りない気がして、自宅に保管していた古いモータを探し出して来ました。色々試してみました。1つはダメでしたが、電動ミシンに使っていた方のモータが使えそうでした。早速、工作です。

  

工作は、以前のモータと置き換えただけです。そして、

小型の変電圧機と、ミシンの足踏みスイッチを使って何とか使える回転数になりました。

シンクロナスモータが1個余りましたので、もう1台、乾燥時の回転モータに使う予定です。これは、1回作っていますので、簡単に出来ると思います。

3.ウキ回転乾燥台

まず、完成時の写真からです。

どこかの本に写真が載っていたので、大体そのように作って見ました。手元に小さなスイッチを付けています。
モータの型番の所の紙が取れていますが、型番を隠す積もりではありません。配置を決める際にガムテープで仮固定して調べていましたので、その際に、取れてしまいました。
困ったのは、「プーリー」と「ベルト」です。模型でセットがあるのは分かりましたが、通販です。ベルトの長さの事もありますので、使えるかどうか分かりません。それにプーリーは11個ほど必要ですので、高すぎます。
まず、100円ショップで使えるものを探しましたが見つかりませんでした(最近は、まず100円ショップで探せですからね)。次に、近くのホームセンターの中を徘徊して、「プーリー」の代用品として「戸車」を選びました(他に選択肢はありませんでした)。戸車は色々種類がありますが、溝のあるもので車の部分がプラスチックのものです。外側の金具を外し(戸車の軸は、ディスクグラインダーで削り取りました)、車の部分だけ取り出しました。車の部分はプラスチックのものを選びましたので細工は楽そうです。兎も角、これでプーリーが手に入りました。 モータの軸の太さは、カタログでは4.8mmになっていましたので、戸車は大体、その程度の孔のものを買って来ています。実際は、少し小さかったので、5mmのドリルで孔を広げて置きます(1回だけドリルを通しておきます。後で少し縮むので丁度良くなります。ダメならもう一度ドリルを通します)。これで、モータとプーリーの接続ができました。
次は、プーリーの軸にするパイプ探しです。外径が5mmで材質は、金属が良いが拘らない、 パイプが良いが、ない場合はムクでも良い。こんな条件です。これならすぐ見つかると思ったのですが、なかなか見つかりません。結局、ホームセンターを5軒梯子し、やっと見つけました。そこには、真鍮以外にアルミのものも売っていましたが、真鍮のものにしました(あるところには、あるんですね)。ホームセンター以外に釣具屋、金物店など回りました。探し出したパイプ以外では、釣具屋でテンピンか何かに透明なパイプを使っていました。それが使えるかなと思いました。
探すのに一番苦労したのは、このパイプでした。もし、同じような工作をなさる方がいれば、パイプは必ず売っていますので、じっくり探して下さい。私はもし見つからなければ、出張か何かの折に「東急ハンズ」で探す積もりでした。

主な材料です。プーリー以外にアクリル板、ウキゴムです。まだ、この時点でベルトは見つかっていません。組み立てをしないと、ベルトの長さも判りませんので、探しにいけないのが実際の所でした。

  

モーターのプーリー部分とウキを付けるプーリーです。 プーリーには真鍮パイプを通しワッシャーを取り付けて瞬間接着剤で固めてあります。
この後、仮組み立てをするのですが、まずアクリル板に穴を開けます。2枚のアクリル板の同じ場所に穴を開けないといけないので、2枚のアクリル板をガムテープでくっつけておきます。また、ドリルで穴を開けるときに、下に板などを当てておかないとアクリル板を割ってしまいます。(再テストの結果、下に硬度の同じもの(例えば、アクリル板)を当てておくのが良いようです。) 私はこれで失敗して、もう一度アクリル板を買いに行きました。

問題のベルトです。途中で撮っておいた写真の方がよくわかると思いますので、

ベルトは、ゴム動力の飛行機などに使うゴムひもです。模型店で買いました。ここにたどり着くまでに、色々試しましたがうまく行きませんでした。ゴムひもは単に結んで繋いでいます。スムーズに回るか気になっていたのですが問題ありませんでした。ゴムは、最初6重にしていたのですが、きついようでしたので、5重にし、さらに4重にしました。これで、6時間ほど連続運転してみましたがOKでした。

次の写真は、ウキを取り付けたところです。塗料が一様になるように回転しながら乾燥させます。最初は、私が良く作る軸が2mm程度のウキです。これは、ウキゴムを介して接続しています。
次は、タナゴウキのように軸の細いものの接続例です。1つはカヤ(ススキ)、もう1つは孔雀の羽根を介して接続しています。カヤ、孔雀羽根には小さな穴をあけています。また、接着剤は使っていませんので、外してウキゴムに変更出来ます。両側ウキゴムにすると、同時に20個、回転乾燥することができます。

  

  

  

これでどんなウキが出来るのでしょうか。

4.ウキ回転乾燥台 追加

回転乾燥台のベルトですが、InterNetで「バンドー化学 バンコード丸ベルト φ2.0mm」というものを見つけました。 加熱により、ベルトが融着するので任意の長さのベルトが出来るというものです。融着の方法を解説しているHPもあります。オークションで購入し、HP記載の方法を参考に融着してみました。

少し曲がっていますが、出っ張りを「爪切り」で切り、ゴムベルトに替えてみました。
格好は良いのですが、プーリーとの摩擦が足らず滑ってしまいます。プーリーに両面接着テープを貼り、応急処置を しておきました。

「バンコード丸ベルト」は、オークションでなくても入手できます。InterNetで検索をかければ、すぐ見つかります。
応急処置の部分は、その内ゴムをつける予定です。